９５．０５ハンモックに乗りたい（ペー族）

■ハンモックに乗りたい　（ぺー族）　

　観光地として有名な雲南省大理では、地名の由来となった大理石が大量に採石される。町はずれにある三塔寺（崇聖寺）の敷地内にはたくさんの露店が軒を連ね、大理石の灰皿や花瓶や置物が売られている。露店を張る母親とともに、日長ここで過ごす子供たちがいる。この少年二人は遊び仲間だろうか、手編みのセーターを着ている。かつて日本でもそうだったが、中国の田舎ではいまも手編みが盛んで、セーターを編みながら店番をする女性たちをよく見かける。
　田舎ではハンモックも人気がある。ペー族の祭りの際、人混みから離れた林の奥でぽつんとハンモックに揺られている青年を見たことがある。おやまあこんな所で……と、妙におかしかった。
　さてここでハンモックに乗っている、額の疵が貫禄の少年。気弱そうに待つ相棒の視線もなんのその、当分交替の気配を見せない。（雲南省大理州三塔寺／撮影：工藤綾子）

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